[カンボジア] トゥール・スレン虐殺博物館

11/27/2017



今回、14年ぶりにカンボジアを再訪するにあたり、どうしても行きたい場所がプノンペンにありました。プノンペンの街中にあるトゥール・スレン虐殺博物館です。

もともと高校として使われていたこの建物は、クメールルージュがカンボジアを支配していた1975年から1979年の間に、拷問や虚偽の罪を自白させるための取り調べの施設と使われていました。クメールルージュはこの収容所を「Security Prison 21 (S-21)」と呼んでいましたが、当時はその存在は隠されていたようです。


この収容所に連行された人の数は17000人以上にものぼるといわれていますが、一方、このS-21から無事に戻れた人の数は10人にも満たないとされています。また、カンボジア全体では当時200万人近くの人が虐殺されたとの記録が残されています。

敷地内には5つの建物があり、現在は悲劇の歴史を記録する博物館として、独房、拷問部屋、拷問に使われた道具や収容者や施設関係者の写真などが一般に公開されています。また2009年にはユネスコの記憶の遺産としても登録されています。

前回、プノンペンを訪れた時には、駆け足でさっと博物館を見学しただけだったのですが、今回はもう少し詳しくカンボジアで起きてしまったジェノサイドに関して学びたいと思っていました。

2017年8月25日からラカイン州で発生した1連の暴力事件を目の当たりに受けて、なぜ人は時にこれまでも残酷になることができるのか、他の国の歴史から学ぶことの必要性をひしひしと感じていたのです。

カンボジアの当時の状況はもちろん現在のラカインやミャンマーの状況とは異なるけれど、犯された罪を正当に裁く制度の必要性や、暴力を公の記録として残すことの必要性など、同じアジアやASEANの国からもミャンマーが学べことはあると改めて実感させられた良い博物館でした。

外からみるトゥール・スレン博物館の様子。
ごく普通に街の中に存在するのだが、当時どのようにして収容所の存在を隠すことができたのだろうか。
敷地内で最初に案内されるのは、この収容所が発見された時に同時に見つかった14人の収容者の遺体のために建てられた墓石。
博物館は追悼施設として世界中からの多くの訪問者は受け入れている。
入り口で音声ガイドを借りることができるので、説明を聞きながらゆっくりと博物館を見学したい。

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