[移民][日本] 法務省入国管理局:チャーター便での強制送還を実施
7/27/2013
2013年7月6日に法務省入国管理局はフィリピン人非正規滞在者75名に対しチャーター便を用いた一斉国費強制送還を行いました。今まで国費で行われる強制送還というものは、ケースごとに民間航空会社の航空券を用意して行われていましたが、今回はチャーター便を用いての一斉送還ということで、日本では初の試みになります。
強制送還には実は2種類があることはあまり知られていないかもしれません。様々な事情により「退去強制令書」が発布された外国人には2種類のオプションが与えられます。一つは自らの費用で出国する「自費強制送還」であり、もう一つは国のお金を用いてまさに無理やり出国させられる「国費強制送還」です。法務省が毎年発刊している「出入国管理」の2012年度版によると、2011年に送還させられた外国人の数はわずか8,721人であり、そのうち国費で送還された人の数は231人となっています。この数字からも分かる通り、通常、強制送還といわれるもののほとんどは本人の自費による出国であり、国費で送還させられる人の割合はわずか全体の4パーセント程度なのです。(ちなみに2007年の強制送還者数の総数は27,913人であり、その数は年々減少しています。)
また、2つのオプションがあると書きましたが、退去強制令書が発布された人にも出国の他に実はもう一つの可能性が残されています。それは「在留特別許可」という制度に則り、滞在許可を改めて得るということです。この制度は滞在許可がないまま日本で長年暮らしてきた外国人に特別に許可を与えるものであり、許可のガイドラインが入国管理局のホームページに記載されています。
強制送還を取り仕切っているのは法務省入国管理局であり、今までは送還者ごとに航空券を手配し送還を行っていました。しかし、昨年末に法務省がチャーター便を用いた一斉強制送還を考えていることが報道され、強制送還そのもののやり方に疑問をもつ外国人支援団体からはチャーター便の導入に関して懸念が表明されていました。(参考:同意なきチャーター便強制送還への非協力を求める要望書)実際、2011年には送還用に手配された飛行機の中で、ガーナ国籍の男性、スラジュさんが死亡する事件が発生しており、現在でも国賠訴訟が続いています。
このような背景の中、今回のチャーター便による強制送還は執行され、このことは幾つかの報道機関においても取り上げられました。しかし、実際に法務省がどのようにして強制送還を行ったのかについてはいまだに不明な点が多いままです。
今回送還の対象となったフィリピン人は女性13名、子ども8名を含む計75名です。TBSの報道によるとその75名の強制送還のために62人の警備官が手配されたそうです。以前にこのブログでも紹介したBIg_Papaさんのブログ(リアルタイムな収容所)には、送還前日の東日本出入国管理センターの様子が記されています。また、彼はフィリピンに送還された本人と送還後に国際電話で話したそうです。
チャーター便で送還すること自体に特に問題があるとは思いません。むしろ7月9日の法務大臣閣議後記者会見でも述べられているように、チャーター便を用いたことにより、送還のコストが抑えられるのであれば、市民サイドとしては歓迎するべきことなのかもしれません。しかしながら、この送還に問題がなかったと言い切るにはまだ時期尚早です。
フィリピン外務省が行った記者会見では、病気を患っている人、(在留特別許可の条件である)日本との定住性が認められている人、日本において今なお係争中の裁判があるものは対象から除かれたとありますが、果たして今回の送還対象者の選定は正しく行われていたのでしょうか。送還者の中には在留特別許可を再審情願中のもの、退去強制令書取り消し請求訴訟中のものもいたとの情報もあります。また、送還時にスタンガンが用いられていたとの証言もあり、送還者の基本的人権に対しどのような配慮がなされていたかも気になるところです。2011年のスラジさんの死から法務省は何を学び、今回の送還にどのようにいかされていたのでしょうか。
現在、特定非営利活動法人APFSの代表が、フィリピンに渡り、送還の当事者たちへのヒアリングを行っています。また7月26日にはフィリピンメディアとの記者会見も行われたようです。APFSのTwitterアカウント(@NPOAPFS)やFBページにおいて少しずつ確認された事実が報告されていますが、帰国後にはより多くの事実が明らかになるでしょう。
強制送還と聞くと罪を犯したのだから仕方がない」と思う人が多いとは思うのですが、入国管理法を犯したからといって入管職員からの暴力的な対応が正当化されることはありません。前述の通り、国費で強制送還される人の数は毎年ごくわずかですが、本件に少しでも注目が集まることを期待しています。
強制送還には実は2種類があることはあまり知られていないかもしれません。様々な事情により「退去強制令書」が発布された外国人には2種類のオプションが与えられます。一つは自らの費用で出国する「自費強制送還」であり、もう一つは国のお金を用いてまさに無理やり出国させられる「国費強制送還」です。法務省が毎年発刊している「出入国管理」の2012年度版によると、2011年に送還させられた外国人の数はわずか8,721人であり、そのうち国費で送還された人の数は231人となっています。この数字からも分かる通り、通常、強制送還といわれるもののほとんどは本人の自費による出国であり、国費で送還させられる人の割合はわずか全体の4パーセント程度なのです。(ちなみに2007年の強制送還者数の総数は27,913人であり、その数は年々減少しています。)
また、2つのオプションがあると書きましたが、退去強制令書が発布された人にも出国の他に実はもう一つの可能性が残されています。それは「在留特別許可」という制度に則り、滞在許可を改めて得るということです。この制度は滞在許可がないまま日本で長年暮らしてきた外国人に特別に許可を与えるものであり、許可のガイドラインが入国管理局のホームページに記載されています。
強制送還を取り仕切っているのは法務省入国管理局であり、今までは送還者ごとに航空券を手配し送還を行っていました。しかし、昨年末に法務省がチャーター便を用いた一斉強制送還を考えていることが報道され、強制送還そのもののやり方に疑問をもつ外国人支援団体からはチャーター便の導入に関して懸念が表明されていました。(参考:同意なきチャーター便強制送還への非協力を求める要望書)実際、2011年には送還用に手配された飛行機の中で、ガーナ国籍の男性、スラジュさんが死亡する事件が発生しており、現在でも国賠訴訟が続いています。
このような背景の中、今回のチャーター便による強制送還は執行され、このことは幾つかの報道機関においても取り上げられました。しかし、実際に法務省がどのようにして強制送還を行ったのかについてはいまだに不明な点が多いままです。
今回送還の対象となったフィリピン人は女性13名、子ども8名を含む計75名です。TBSの報道によるとその75名の強制送還のために62人の警備官が手配されたそうです。以前にこのブログでも紹介したBIg_Papaさんのブログ(リアルタイムな収容所)には、送還前日の東日本出入国管理センターの様子が記されています。また、彼はフィリピンに送還された本人と送還後に国際電話で話したそうです。
昨日の夜10時半、又はその前から1つのフロアに対して50人前後の看守達が押しよせて来て、眠っている者でも構いなく即、「自分から荷物まとめて帰るか、無理やり帰るか」と選ばせて、荷物を本人にまとめさせ、9つのフロアで男25、26人位、女2人で同じ時間帯に外に待機してあったバスで成田空港へ。一方、フィリピンにおいてもこの事件は注目を集めたらしく、現地の外務省が記者会見を行いフィリピンのマスメディアにおいても取り上げられました。例えば、こちらのネットニュース(英語)によると、送還時には日本人医師、警備官、在日フィリピン大使館関係者などが同じ飛行機に搭乗していたと報道されています。フィリピンでは今年度に入りサウジアラビアなど各国からの一斉強制送還が続いており、本件へのフィリピン政府の関わりについても現地メディアは確認していたようですが、フィリピン政府は直接の関与はなかったと答えているようです。とはいうものの、子どもと女性には手錠をかけないように日本政府に依頼したことも伝えられています。
あるフロアでは周りの者がこの行為に怒り、ドアをたたくなどしていましたが、入管側はお構いなしです。
そのまま成田空港の中なのか外なのか分かりませんが大きな倉庫2つに連れてかれ、この時入管職員は倍以上の人数で、1人に対して3人付いていたとの事です。
飛行機がフィリピンのマニラに飛んだのが朝11時なので、それまで出国手続きなど、色々と準備を。
ある者が入管側に、「荷物も残ってるし、お金もまだある」と言ったら、返ってきたのが、
「それが? 関係ない、おまえは今から帰るんだよ!」
と帰されるからと言葉の暴力があちこちで普通にあり、非人道的な現場だったと帰された本人から聞きました(国際電話をフィリピンにして直接聞きましたので言ってること全て真実です)。
抵抗する人にはスタンガンみたいなショック電流を流されたとこの人も証言してくれ、実際、手に流されたと。
さらにヒドい人には箱に入れるなど、聞けば聞くほど心が痛む話ばかり。
チャーター便で送還すること自体に特に問題があるとは思いません。むしろ7月9日の法務大臣閣議後記者会見でも述べられているように、チャーター便を用いたことにより、送還のコストが抑えられるのであれば、市民サイドとしては歓迎するべきことなのかもしれません。しかしながら、この送還に問題がなかったと言い切るにはまだ時期尚早です。
フィリピン外務省が行った記者会見では、病気を患っている人、(在留特別許可の条件である)日本との定住性が認められている人、日本において今なお係争中の裁判があるものは対象から除かれたとありますが、果たして今回の送還対象者の選定は正しく行われていたのでしょうか。送還者の中には在留特別許可を再審情願中のもの、退去強制令書取り消し請求訴訟中のものもいたとの情報もあります。また、送還時にスタンガンが用いられていたとの証言もあり、送還者の基本的人権に対しどのような配慮がなされていたかも気になるところです。2011年のスラジさんの死から法務省は何を学び、今回の送還にどのようにいかされていたのでしょうか。
現在、特定非営利活動法人APFSの代表が、フィリピンに渡り、送還の当事者たちへのヒアリングを行っています。また7月26日にはフィリピンメディアとの記者会見も行われたようです。APFSのTwitterアカウント(@NPOAPFS)やFBページにおいて少しずつ確認された事実が報告されていますが、帰国後にはより多くの事実が明らかになるでしょう。
強制送還と聞くと罪を犯したのだから仕方がない」と思う人が多いとは思うのですが、入国管理法を犯したからといって入管職員からの暴力的な対応が正当化されることはありません。前述の通り、国費で強制送還される人の数は毎年ごくわずかですが、本件に少しでも注目が集まることを期待しています。
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