女体盛り寿司ボーグと受付嬢ロボット

7/24/2018



スプツニ子の昔の作品に「寿司ボーグ☆ユカリ」というものがある。女体盛り回転寿司ロボットととして開発された女性型サイボーグが、知性を得たのち、自らを兵器に改造し男性達に反逆するというストーリーの作品だ。数日前にたまたま目にしたネット記事で久々にこの「寿司ボーグ☆ユカリ」のことを思い出させられた。

受付嬢ロボット、欧米はNO「ジェンダー偏見助長する」」と見出しのついたその記事では、日本国内で開発が進められている受付嬢ロボットに関して、どうしてそのような研究が社会的に認められているのか、欧米の研究者から疑問が呈されたというエピソードが言及されている。

数年前にも同じような話をネットで見かけたことがあった。2014年に人工知能学会が学会誌の表紙に女性型ロボットが掃除するイラストを採用し掲載した時だ。数多く開発されるロボットのうちいくつかが人間の女性を模した形状になってしまうということならば、それはそれで仕方がないとは思う。しかし人工知能学会の表紙となるイラストに、あまりにもステレオタイプな女性像が投影されたアンドロイドをわざわざ採択するとはどういった神経なんだろうと当時は驚愕したものだ。

ロボットやAI開発といった人間の概念そのものの再考を促されてしまう領域では、研究者や研究が行われる社会に内在する偏見やステレオタイプが、研究の成果に投影されてしまわないように丁寧に注意を払う必要がある。そういった事態を避ける為には、新しい技術の開発の場が社会に開かれていることが重要であり、新しい技術を用いて何を達成したいのかを社会を巻き込んで議論していくことが必要だ。

前述のネット記事で触れられていた欧米研究者からの批判的な意見は、新しい視点を提示してくれるという意味では非常にありがたい。けれどもそういった「欧米からの指摘」に対して、必要以上に構えてしまう人たちも多いことだし、そもそも日本社会の中にきちんと議論を行うことのできる体制を整えていくことがまずは必要なのだろう。そしてその為には女性の技術者をもっと増やし、科学政策を巡る議論にもより多くの女性が参加できるようになることが大切なのだと思う。

前記事の統合型リゾート法案も2020年のオリンピックに向けてということだったが、受付嬢ロボットに関しても、同じくオリンピック開催に向けて、開発が進められているらしい。2020年に向けてこの社会はどうなっちゃうのだろうか。少し心配だけど、どんなサプライズが用意されているのか怖い者見たさでちょっとだけ見てみたい。

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