[トラベル] 近くて遠いフィリピン
8/28/2013一方、我々日本人の間でのフィリピン理解は未だにとても限られたものだ。フィリピンと聞いて一般的に思い浮かべられることといえば、フィリピン人パブ、ビーチリゾート、スモーキーマウンテンなどか。タイ料理や韓国料理のレストランを街中で見かけることは珍しくないが、フィリピン料理店はまだまだ珍しい存在であり、どのような料理が代表的なフィリピン料理か挙げられない人も多いであろう。
東京から台湾を超えてさらに南へ。約4時間で辿り着く7,000以上の島から成り立つフィリピン共和国の一部を本日はご紹介。写真は2012年末から13年にかけて滞在していたマニラで主に撮影したものです。
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フィリピンの首都であるマニラは都内23区のように17の行政区から成り立っています。
写真はマカティ市内から見た新興地域グローバルシティのビル群。
2000万人以上が暮らすといわれているマニラでは貧困地域と裕福な地域との差が歴然としています。
フィリピンでの一般的な交通手段と言えばこのジプニーといわれる乗り合いタクシーです。
それぞれの車が車体に書かれたルートで運行しており、停留所の他にも走っているジプニーを気軽に捕まえて乗車することができます。運賃も日本円で数十円ととても安くなっています。
ジプニーの他にみかける庶民の乗り物と言えばこちらのトライシクルと呼ばれる3輪タクシー。
バイクの横にサイドカーがついており、そこに乗客は乗り込みます。
ジプニーよりも街中の短距離の移動に使うことが多いです。
ケソン市内で利用したトライシクル内部からの眺め。
あまり外の景色は眺められませんが臨場感は抜群です。
タクシーも街中では多く見かけますが、マニラのタクシーは
メーターをきちんと使ってくれない運転手も多く、利用の際には注意が必要です。
また、マニラの渋滞はかなりの曲者ですので、こちらもタクシーに乗るときには注意が必要。
タイなどの仏教国では仏様の飾り物、イスラム圏ではアッラーにちなんだものがタクシーの車内に飾られていますが、世界有数のカソリック国フィリピンではもちろんキリストの姿を車内で見かけます。
マニラには地下鉄はありませんが、MRTやLRTと呼ばれるマニラ各地を結ぶ電車は運行されています。運賃は安く、渋滞がないのもありがたいですが、MRTとLRTは接続が悪い上、東京のラッシュ時以上の混雑になることもあります。旅行者はあまり利用することはないかもしれません。
こちらはマカティ市内の様子。マカティ市は企業や商業施設が多く集まっており、外国人駐在員が多く住む街です。また、その富に寄せられ路上に住む人々も多く見かけます。マニラを訪れる観光客もマカティに宿をとる人が多いです。
マカティ市内にあるロックウェルのショッピングモール。
ロックウェルはいわゆる富裕者層向けゲーテッドコミュニティであり、街は奇麗に整備され、庶民には手を出すことのできない高級コンドミニアムが立ち並びます。
スペイン統治時代の名残りか、パンは庶民の一般的な食べ物であり、街中でパン屋を見かけます。Pan de Salといったロールパンが日常的に食べられているようです。そのほかにはチョコレートやココナッツ、マンゴーなどを練り込んだパンをよく見かけました。
フルーツの屋台もマニラの路上では日常的にみかけます。季節によって売られている果物は異なりますが、私の滞在時にはマンゴーやオレンジ、マンオスティンなどをよくみました。ちなみにマンゴーはパキスタンのマンゴーが一番です!
同じ東南アジアでもタイや台湾と違って、フィリピンでは観光客が屋台ご飯に手を出すのはちょっとハードルが高いと思います。写真のような街で見かける屋台では調理されたお総菜が鍋にいれられて並び、ご飯にかけて立ちながら食べる仕組みになっています。
アジアでの数少ないキリスト教国であるフィリピンでは、国民の8割以上がカソリック教徒であるといわれています。街中には教会が点在しており、スペイン統治時代に建設され世界遺産に指定されているような教会もあります。
クリスマスの時期にフィリピンを訪れると、街のいたるところで写真のような星の飾りが建物に掲げられているのを見かけます。この飾りは「ベツレヘムの星」と呼ばれるもので、聖書の中では東方の三賢者にキリストの誕生を知らせたとされています。
こちらがベツレヘムの星の拡大図。
フィリピンのクリスマスと言えばベツレヘムの星というほど、よく見かけます。
ちょっとこ洒落たマカティを離れた下町の様子。
雑然とした街並みの中に人々の生活が溶け込んでいます。
ミニストップやセブンイレブンといったマニラのコンビニも街中ではよく見かけます。
フィリピンのコンビニで特徴的なのは店内で使い切りサイズのシャンプー、リンス、整髪料が沢山売られていることです。サリサリストアと呼ばれる昔から街中にある商店でも同じなのですが、大きなボトルを買うことのできない、購買力の低い層を対象に用意されたものらしいです。
東南アジアの他の国々と同じく、フィリピン経済も中華系移民たちが力を握っています。写真はマニラの下町あるチャイナタウンの入り口です。裕福な中華系富裕層とのイメージとは一変して、ハリウッド映画の中にでてきそうな怪しい雰囲気の中華街です。
フィリピンにおける中華系移民の歴史は長く、スペイン統治時代以前よりフィリピンと中国には交流がありました。多民族国家フィリピンにおいて中華系移民の数は少ないのですが、経済会のみならず政界においても影響力をもった中華系移民は多く存在します。また、建国の父として知られるホセ・リサールも中華系の血を引き継いでいます。
日本とフィリピンとの関係を考えるにあたって無視できないのはフィリピンのセックスツーリズムでしょう。一時期は買春ツアーなどに参加した日本人が大量に押し寄せていたようですが、今では日本人の数は少なくなっているそうです。写真は歓楽街のはずれですが、バンコクの歓楽街のような規模が大きく派手なエリアを想像していた自分にはマニラの歓楽街はとても地味に映りました。
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